マーティン・カープラスとは?
まーてぃんかーぷらす
マーティン・カープラスは、タンパク質などの生体分子の動的挙動をコンピューターでシミュレーションする「分子動力学法」の開発に先駆的に貢献し、2013年にノーベル化学賞を受賞したオーストリア系アメリカ人の理論化学者です。
マーティン・カープラス(Martin Karplus、1930年〜)は、オーストリア・ウィーン出身でアメリカに亡命した理論化学者・生物物理学者です。ハーバード大学およびストラスブール大学で長く研究を行い、計算化学・分子シミュレーションの分野を切り開きました。
カープラスの最大の功績は、量子力学と古典力学を組み合わせたマルチスケールな計算化学の手法を開発し、複雑な生体分子の構造と機能をコンピューターでシミュレーションできるようにしたことです。特に「分子動力学(Molecular Dynamics; MD)シミュレーション」の手法論の発展に大きく貢献しました。この手法では、タンパク質を構成する全原子の運動をニュートンの運動方程式に基づいて追跡し、折りたたみ・酵素反応・タンパク質間相互作用などを原子レベルで解析できます。
また「カープラス式」として知られるNMR(核磁気共鳴)の結合定数と二面角の関係式は、タンパク質の立体構造解析に今も広く使われています。
- 分子動力学シミュレーション手法の先駆的開発
- QM/MM(量子力学・分子力学ハイブリッド)法の基礎確立
- カープラス式(NMR結合定数と二面角の関係)の導出
- マイケル・レビット、アリエ・ウォーシェルとともに2013年ノーベル化学賞を受賞
カープラスらの手法は、新薬候補のスクリーニング・タンパク質設計・材料科学など幅広い分野の計算機シミュレーションに応用されており、現代の計算化学の標準的な基盤となっています。
使い方・例文
新薬の開発でタンパク質と薬剤分子の結合をコンピューターで予測する「インシリコ創薬」の技術は、カープラスが確立した分子動力学シミュレーションを基礎としています。
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