ベラ・タールとは?
べらたーる
ベラ・タールは、ハンガリーの映画監督で、数時間に及ぶ長回しと白黒映像による圧倒的な映画世界を構築した現代映画の巨匠です。
ベラ・タール(Béla Tarr、1955年〜)は、ハンガリー・ペーチ生まれの映画監督です。若くして社会主義ハンガリーの工場労働者や貧しい家族を題材にしたドキュメンタリータッチの作品でキャリアをスタートさせ、1980年代以降は哲学的・実存主義的な作風へと大きく転換しました。
タールの映画を語る上で欠かせないのが「長回し」の極致です。カメラは数分から十数分にわたって動き続け、登場人物の動作・風景・光の変化を途切れなく捉えます。この手法により、鑑賞者は映画の時間の中に文字通り引き込まれます。また白黒映像の選択は、泥・雨・荒廃した風景をより強烈に刻み込む効果を生んでいます。
代表的な作品は次の通りです。
- 『サタンタンゴ』(1994年)——上映時間約7時間の超大作、崩壊しかけた農業共同体の寓話
- 『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(2000年)——小さな町に訪れた混乱と暴力を描く
- 『ニーチェの馬』(2011年)——哲学者ニーチェの有名な逸話に着想した終末の物語
タールは『ニーチェの馬』を最後の長編として映画監督からの引退を宣言しています。ゆっくりとした時間の流れの中に人間の実存を問いかけるその映像世界は、世界中の映画作家や批評家に多大な影響を与えています。
使い方・例文
「長回し映画の極致」「映画の限界に挑んだ作家」として映画批評や映画祭のプログラムで引き合いに出されることが多く、特に『サタンタンゴ』は上映時間の長さとともに語られます。
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