本文へスキップ

フラクタル海岸線とは?

ふらくたるかいがんせん

フラクタル海岸線とは、どの縮尺で測っても自己相似の複雑な形状が繰り返す海岸線の性質を指し、測る単位によって全長が変化するという特性のことです。

フラクタル海岸線(英: fractal coastline)とは、数学的なフラクタル(自己相似)構造を海岸線の形状に見出した概念です。1967年、数学者ブノワ・マンデルブロが論文「イギリスの海岸線の長さはどれくらいか?」の中で提示し、測定に使う物差しの単位を細かくすればするほど海岸線の総延長が際限なく長くなることを示しました。

この現象が起きる理由は、海岸線が入り江・岬・岩礁・砂浜の凹凸など、大きなスケールから小さなスケールまで複雑な形状を持つためです。

  • 大きな単位で測ると:細かい入り組みを無視してなめらかに近似
  • 小さな単位で測ると:小さな岩や凹凸を拾い、総延長が増大
  • 理論上は単位をゼロに近づけると全長が無限大になる
この性質を表す指標が「フラクタル次元(海岸線次元)」で、単純な直線は次元1、複雑な海岸線ほど1より大きい値(例えばノルウェーのフィヨルド海岸は約1.52)になります。日本のリアス海岸も高いフラクタル次元を持つとされています。

フラクタル海岸線の概念は、地理学・地形学における測定の相対性を示す重要な思考実験であり、地形分析やGIS(地理情報システム)における縮尺選択の重要性を示すものとして広く引用されています。

使い方・例文

ノルウェーのフィヨルド海岸線の全長は、大縮尺の地図で測るか詳細な地図で測るかによって数倍以上変わります。これがフラクタル海岸線の典型例で、測定スケールによって「長さ」が定まらないことを示しています。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語