ヒドラジンとは?
ひどらじん
ヒドラジンとは、窒素原子2個と水素原子4個からなる化合物(N₂H₄)で、ロケット燃料や化学合成の還元剤として広く使われる含窒素化合物です。
ヒドラジン(hydrazine)は化学式N₂H₄で表される無色の液体で、アンモニアに似た刺激臭を持ちます。常温で液体(沸点約114℃)であり、水やアルコールに任意の割合で混和します。窒素原子同士が単結合でつながった最も単純な含窒素化合物の一つです。
ヒドラジンの主な用途は以下のとおりです。
- ロケット・航空宇宙:液体推進剤(モノプロペラントまたはバイプロペラント)として人工衛星や宇宙船の姿勢制御スラスターに使用される。分解触媒(塩化イリジウム等)と接触すると自己分解し推力を生じる。
- 化学合成の還元剤:有機合成において窒素源・還元剤として機能し、農薬・医薬品・染料の中間体製造に利用される。
- ボイラー水処理:ボイラー内の溶存酸素を除去して腐食を防ぐ脱酸素剤として用いられる。
強い還元性を持つ一方で、毒性・腐食性・引火性・発癌性が問題となります。急性毒性として肝障害・神経障害・溶血性貧血を引き起こし、国際がん研究機関(IARC)ではグループ2Aに分類されています。取り扱いには厳格な安全管理が必要です。
工業的には主にラシッヒ法(次亜塩素酸ナトリウムとアンモニアを反応させる)やペルオキシド法で製造されます。
使い方・例文
ヒドラジンは人工衛星の小型スラスターに充填され、軌道修正や姿勢制御の推進剤として宇宙空間で使用されます。
この用語をシェア
最終更新: