ナーガールジュナ(龍樹)とは?
なーがーるじゅな
ナーガールジュナ(龍樹)とは、2〜3世紀ごろのインド仏教を代表する哲学者で、「空」の思想を体系化した大乗仏教の祖と称される人物です。
ナーガールジュナ(漢訳名:龍樹)は、2世紀後半から3世紀前半にかけて南インドで活躍した仏教哲学者です。大乗仏教の理論的基盤を打ち立てた人物として、仏教思想史上最も重要な論師の一人に数えられています。
その核心をなす思想が「空(くう)」の哲学です。ナーガールジュナは主著『中論』において、あらゆる現象は固定した実体を持たず、相互依存のなかにのみ成立するという「縁起」の論理を精緻に展開しました。これを「空性(シューニャター)」と呼び、有でも無でもない「中道」の立場から既存の実体論的哲学を批判しました。
代表的な著作には以下のものがあります。
- 『中論』(Mūlamadhyamakakārikā):空の論理を体系的に論じた主著
- 『廻諍論』:認識論的な批判を展開
- 『大智度論』:般若経の大規模な注釈書(真偽に議論あり)
ナーガールジュナの思想はインド仏教の中観派の祖として受け継がれ、後にチベット仏教や東アジア仏教(三論宗など)にも深甚な影響を与えました。現代においても、その哲学はウィトゲンシュタインやデリダの脱構築思想と比較されるなど、西洋哲学との対話の文脈で再評価されています。
使い方・例文
大乗仏教の講義や哲学書で「空の思想」を解説する際に、ナーガールジュナの『中論』が必ずといってよいほど言及されます。
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