テオフィル・ゴーチエとは?
ておふぃるごーちえ
テオフィル・ゴーチエは「芸術のための芸術」を唱え、フランス詩の技巧と美の純粋性を追求した19世紀ロマン主義・高踏派の詩人・作家です。
テオフィル・ゴーチエ(Théophile Gautier、1811〜1872年)は、フランスの詩人・小説家・批評家で、19世紀フランス文学の重要な橋渡し役です。ユゴーに傾倒したロマン主義者として出発しつつ、後に「芸術のための芸術(l'art pour l'art)」という理念を掲げ、高踏派(パルナス派)の先駆者となりました。
ゴーチエが主著の序文で示した「芸術のための芸術」の立場は、文学・芸術には道徳的・政治的な有用性は必要なく、美そのものを目的とすべきという考えです。この主張は当時の文壇に論争を呼び、ボードレール・フローベールら後世の作家に大きな影響を与えました。
主な作品は以下のとおりです。
- 詩集『エマイユとカメオ』(1852年)――彫刻・絵画的な精巧さで書かれた詩の集大成
- 小説『モーパン嬢』(1835年)――ジェンダーと美を主題とした問題作
- 幻想小説・旅行記・美術批評など多ジャンルにわたる著述
ゴーチエは長年にわたり美術批評家・劇評家としても活躍し、ドラクロワやアングルらの画家を紹介する文章でも知られます。その詩は視覚的な鮮明さと完璧な形式美を誇り、後の象徴主義・唯美主義運動への道を開きました。
使い方・例文
フランス詩史や文学理論の講義で「芸術のための芸術」という概念を説明するとき、ゴーチエの名と詩集『エマイユとカメオ』が引用されます。また、唯美主義や高踏派を扱う文学史の章でも欠かせない人物です。
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