チーグラー・ナッタ触媒とは?
ちーぐらーなったしょくばい
チーグラー・ナッタ触媒とは、オレフィン(エチレン・プロピレンなど)を規則正しく重合させるために開発された、工業的に極めて重要な触媒系です。
チーグラー・ナッタ触媒(Ziegler-Natta catalyst)とは、遷移金属化合物(主にチタン化合物)と有機金属化合物(アルミニウムアルキル化合物など)を組み合わせた触媒系で、オレフィン(アルケン)の配位重合に用いられます。
この触媒はドイツの化学者カール・チーグラーとイタリアの化学者ジュリオ・ナッタによって1950年代に開発されました。2人はこの功績により1963年にノーベル化学賞を共同受賞しています。開発以前は、エチレンやプロピレンを重合させるためには高温・高圧の条件が必要でしたが、この触媒の登場により常温・常圧に近い穏やかな条件での重合が可能になりました。
特に重要な点は、生成するポリマーの立体規則性を制御できることです。例えばポリプロピレンでは、アイソタクチック(規則的)・シンジオタクチック(交互)・アタクチック(不規則)といった異なる立体構造を選択的に合成できます。立体規則性の違いはポリマーの機械的強度・融点・透明性などの物性に大きく影響します。
チーグラー・ナッタ触媒は、現在のプラスチック産業・合成繊維産業の根幹を支える技術であり、ポリエチレンやポリプロピレンの大量生産を可能にした化学史上の革新のひとつです。
使い方・例文
「高校や大学の化学で高分子化合物を学ぶ際、ポリエチレンの工業的製法としてチーグラー・ナッタ触媒が紹介されます」というように、化学教育や高分子化学の文脈で登場します。
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