シベットとは?
しべっと
シベットとは、ジャコウネコ科の動物から得られる動物性香料で、独特の深みとなめらかさを香水に加える成分として古くから使われてきました。
シベット(civet)は、アフリカや南アジアに生息するジャコウネコ(Civettictis civetta など)の会陰腺から分泌される蝋状の物質、またはそこから抽出した香料を指します。英語でシベットはジャコウネコ自体の名称でもあります。
原料となる分泌物には、シベトン(civetone)と呼ばれる大環状ケトンが主要な香気成分として含まれており、これが独特の動物的・官能的な香りを生み出します。非常に高濃度では不快に感じるほど強烈ですが、微量では「エグゾティックな深み」「なめらかな官能性」を香水に与える効果があります。
歴史的に、シベットはムスクやアンバーグリスと並ぶ動物性香料として珍重されてきました。17〜19世紀のヨーロッパ香水産業でも重用されましたが、動物福祉の観点から現代では天然シベットの使用は大幅に減少しています。採取にはジャコウネコを狭いケージに閉じ込めるなど、倫理的な問題があるためです。
現在は合成シベトンを中心とした化学合成品が使われており、天然品と同等かそれ以上の香気を安定的に供給できます。高級香水の深みや残香性を高める素材として、今も重要な役割を持ちます。
使い方・例文
高級香水の処方において、シベット(またはその合成品)はごく微量配合され、全体の香りに「体温を感じさせるような深み」と「肌への密着感」を与えます。単独では強烈すぎる香りも、他の素材と組み合わせることで調和のとれた官能的な香りになります。
この用語をシェア
最終更新: