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シノピアとは?

しのぴあ

シノピアとは、フレスコ画を描く前に石灰下地の上に赤茶色の顔料で描く下絵(下書き)のことで、中世・ルネサンス期の壁画制作に不可欠な工程でした。

シノピア(Sinopia)は、フレスコ画の制作工程において壁の粗い石灰下地(アリッチョ)の上に描かれる下絵のことです。名称は、トルコのシノープ(Sinope)地方から産出した赤茶色の土(焼き赤土・酸化鉄系顔料)に由来しており、この顔料の色がシノピアの特徴的な赤褐色を生み出していました。

フレスコ画の制作手順において、シノピアはアーティストが構図・人物配置・明暗などを計画するための重要な段階でした。粗い下地の上に描かれた後、その上に仕上げ用の薄い白石灰層(イントナコ)を塗り、濡れているうちに本画(ブオン・フレスコ)を描きます。そのため完成した壁画の背後には、通常シノピアが隠れた状態で残ります。

20世紀以降、フレスコ画の保存・修復技術が発展すると、壁から表面の絵を剥離する「ストラッポ」や「ストラッコ」と呼ばれる手法によって、本画の下に隠れていたシノピアが多数発見されました。これらの発見は美術史研究において大変重要で、画家の素描力や構図変更の過程を知る貴重な資料となっています。イタリア各地の美術館にはシノピアの実物が展示されています。

使い方・例文

「修復作業でフレスコ画をはがしたところ、その下からシノピアが現れ、画家が当初構想していた構図の違いが明らかになった」というように、美術史・修復の文脈で登場します。

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