ゲシュトップトとは?
げしゅとっぷと
ゲシュトップトとは、ホルン演奏において右手をベルの中に深く差し込んで音をふさぐことで、独特のこもった音色や半音高い音を出す奏法です。
ゲシュトップト(gestopft)はドイツ語で「塞いだ」「詰めた」を意味し、主にホルン(フレンチ・ホルン)の特殊奏法を指します。演奏者が右手をベルの内部に深く差し込んで空気の出口を半分以上ふさぐことで、通常とは異なる音響効果が得られます。
ゲシュトップトの効果は主に二つです。
- 音色の変化:ベルをふさぐことで音がこもり、くぐもった独特の金属的・鼻詰まりのような音色になります。「ミュート(弱音器)」と似た効果ですが、ゲシュトップトは手だけで行う点が異なります。
- 音高の変化:完全に塞いだ状態では音程が半音上がるため、本来出せない音を補う目的でも使われていました。ナチュラルホルン(バルブのない旧式ホルン)の時代には特に重要な技術でした。
楽譜では「+」記号または「gest.」と表記されます。バルブホルンが普及した現代でも、音色効果のためにゲシュトップトが頻繁に使われます。通常奏法に戻る際は「offen(オッフェン、開いた)」と指示されます。ロマン派以降の交響曲やホルン独奏作品に多く登場する重要な技法です。
使い方・例文
管弦楽曲の神秘的な場面でホルンに「+」記号が付くと、奏者は右手をベルに深く差し込んでゲシュトップトを演奏し、くぐもった幻想的な音色を作り出します。
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