エル・シドとは?
えるしど
エル・シドは、11世紀のスペイン(カスティーリャ王国)で活躍した伝説的な騎士・軍事指揮官で、キリスト教・イスラム教双方の君主に仕えた複雑な経歴から英雄譚の主人公となりました。
エル・シド(El Cid)は、ロドリゴ・ディアス・デ・ビバル(Rodrigo Díaz de Vivar、約1043〜1099年)の通称です。「シド」はアラビア語の「シイード(主人・主君)」に由来し、「エル」はスペイン語の定冠詞です。カスティーリャ王国(現在のスペイン北部)のブルゴス近郊で生まれ、レコンキスタ(国土回復運動)の時代を生きた実在の人物です。
エル・シドの人生は当時としても異色でした。カスティーリャ王アルフォンソ6世に仕えましたが、政争に巻き込まれて追放され、その後イスラム系の君主(タイファ)にも仕えるという当時としては珍しい経歴を持ちます。こうした境界を越えた行動が、キリスト教・イスラム教いずれの側からも一定の評価を受けることにつながりました。
最大の軍事的業績は、1094年にバレンシアを征服・統治したことです。エル・シドはその死まで独自にバレンシアを支配し続けました。死後、妻ヒメナが遺体をカスティーリャへ運んだという逸話も有名です。
エル・シドは後世にスペインの国民的英雄として理想化され、中世叙事詩『我がシドの歌(Cantar de mio Cid)』(12世紀末)の主人公として描かれました。この作品はスペイン語文学最古の傑作叙事詩として今日も高く評価されています。
使い方・例文
「エル・シドの物語は、映画・演劇・漫画など数多くの作品で繰り返し描かれており、スペインの英雄的騎士像の象徴として引用されます。」
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