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エポケーとは?

えぽけー

判断や信念をいったん保留し、先入観なく物事を観察しようとする哲学的な態度のことです。

エポケー(epoché)は、もともと古代ギリシャの懐疑派哲学に由来する概念で、「判断の停止」または「保留」を意味します。懐疑派は、確実な知識を得ることが難しいため、いかなる主張についても断定的な判断を避けることによって心の平静(アタラシア)を得られると説きました。

この概念を20世紀に新たな文脈で復活させたのが現象学の創始者エトムント・フッサールです。フッサールのエポケー(現象学的還元とも呼ばれます)は、日常的な「自然的態度」、すなわち世界が客観的に存在するという素朴な前提をいったん括弧に入れて(カッコに入れて)保留することを意味します。これにより、意識に直接現れる現象そのものを偏見なく記述することが可能になるとされます。

具体的なイメージとしては、「このリンゴは赤い」と判断する前に、「赤い」という経験がどのように意識の中で構成されるのかをまず丁寧に観察する、という手続きです。先入観・理論・常識を一時的に脇に置くことで、経験の純粋な構造を明らかにしようとする態度です。

エポケーの考え方はその後、社会学・心理学・認知科学など幅広い分野に影響を与え、先入観のない観察や記述の重要性を強調する文脈で引用されます。

使い方・例文

エポケーは哲学の授業やカウンセリングの訓練において、「まず自分の価値判断を脇に置いて相手の体験に向き合う」という姿勢を説明する際に登場します。

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