アンセルムスとは?
あんせるむす
アンセルムスは、11〜12世紀のイングランド(カンタベリー大司教)を代表するキリスト教神学者・哲学者で、「信仰は理解を求める」という信条と神の存在論的証明で知られる中世スコラ哲学の父です。
アンセルムス(Anselmus Cantuariensis、約1033〜1109年)は、現在のイタリア北部アオスタ生まれのキリスト教神学者・哲学者で、後にイングランドのカンタベリー大司教を務めた人物です。中世スコラ哲学の創始者の一人として「スコラ哲学の父」とも呼ばれます。
ベネディクト会の修道士としてノルマンディーのベック修道院で修道・研究生活を送り、1093年にカンタベリー大司教に任命されました。在任中は国王との叙任権論争に巻き込まれながらも、神学的著作に精力的に取り組みました。
アンセルムスの主要な思想と業績を挙げると以下のとおりです。
- 「信仰は理解を求める(Fides quaerens intellectum)」:信仰を前提としつつ、理性による神学的理解を追求する姿勢の定式化
- 神の存在論的証明:「神とはそれ以上に偉大なものが考えられないもの」という定義から神の存在を論理的に証明しようとした試み
- 贖罪論(満足説):人間の罪に対するキリストの死の意義を神学的に体系化
- スコラ哲学的方法論の確立:理性と信仰を組み合わせた神学的考察の手法
アンセルムスの存在論的証明はカント以降にさまざまな哲学者から批判を受けましたが、神学・哲学における神の存在をめぐる議論の出発点として今日も重要な位置を占めています。
使い方・例文
「アンセルムスの存在論的証明は、神学と哲学が交差する典型的な議論として、宗教哲学の授業でしばしば取り上げられる」のように、中世哲学や宗教哲学の文脈で登場します。
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