存在論的証明とは?
そんざいろんてきしょうめい
存在論的証明とは、神の概念そのものから神の実在を論理的に導こうとする哲学・神学上の議論です。
存在論的証明(オントロジカル・アーギュメント)とは、神や究極的存在の概念を出発点とし、経験的証拠に頼らず純粋な理性的・論理的推論のみによって神の実在を証明しようとする哲学的・神学的論証です。
最も有名な定式化は、11世紀のカンタベリー大主教アンセルムスによるものです。彼の論証は次のように要約できます。「神とは、それ以上大きなものを考えることができない存在である。もし神が概念の中にのみ存在し現実に存在しないとすれば、現実に存在する神を想像できる。それは矛盾である。ゆえに神は現実に存在する。」
この論証はその後、哲学史の中で繰り返し議論されてきました。
- デカルトは完全な存在には実在性が含まれるという形で再定式化しました
- カントは「実在性は述語ではない」として論証を批判し、概念から実在を導くことはできないと主張しました
- 現代ではクリプキの様相論理を用いた様相的存在論的論証も提唱されています
存在論的証明は神の実在を証明するものとして受け入れられているわけではなく、哲学上の論争は今も続いています。しかし、存在と概念の関係、様相論理、形而上学の議論において重要な位置を占め続けており、哲学・神学双方の分野で欠かせない論題となっています。
使い方・例文
「哲学の講義では、存在論的証明を題材として『概念から実在を導くことができるか』という形而上学の根本問題が議論される。」
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