アスタチンとは?
あすたちん
アスタチンとは、原子番号85のハロゲン元素で、自然界に極めて微量しか存在しない放射性元素です。
アスタチン(Astatine、元素記号 At)は、原子番号85の元素であり、周期表の第17族(ハロゲン族)に属します。フッ素・塩素・臭素・ヨウ素に続くハロゲンの一員ですが、他のハロゲンとは異なり安定同位体が存在しません。すべての同位体が放射性であり、最も長寿命の同位体でも半減期は約8.1時間(アスタチン210)と短いため、地球上に自然に存在する量は微量にとどまります。
アスタチンは1940年にデール・コーソン、ケネス・マッケンジー、エミリオ・セグレによって人工的に合成され、単離されました。名称はギリシャ語で「不安定」を意味する「astatos」に由来します。
性質としては、ハロゲンの中で最も重く、最も金属に近い性質を持ちます。常温での状態は不明な部分が多いですが、固体または液体であると推測されています。化学的にはヨウ素に似た挙動を示し、甲状腺に集まる性質があります。
アスタチンが現在最も注目される分野は医療用途です。特にアスタチン211(At-211)はアルファ線放出核種として、がん細胞を標的にする放射性核医学治療(アルファ線治療)への応用研究が進んでいます。ヨウ素と類似した生体内挙動を持ちながら、より強力な放射線でがん細胞を破壊できる可能性があるとして注目されています。
使い方・例文
アスタチンは放射線医学の研究や核医学分野で登場し、特にAt-211を用いたがんの標的治療薬の開発が世界各地の研究機関で進められています。
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