アジマス推進器とは?
あじますすいしんき
アジマス推進器とは、船の推力方向を360度自在に変えられる推進装置で、舵を使わずに船体を操縦できる機器です。
アジマス推進器(Azimuth Thruster)は、プロペラと駆動部を一体化したユニットを船底に吊り下げ、水平方向に360度回転させることで推力の方向を自由に変えられる推進装置です。従来の船は固定されたスクリューと舵の組み合わせで方向を制御していましたが、アジマス推進器では舵が不要になります。
構造上の特徴は、ゴンドラ(吊り下げ部)の内部にモーターまたはギアを収め、プロペラをゴンドラ先端に装備している点です。ゴンドラ全体が水平回転するため、前後左右斜めといったあらゆる方向に推力を発生させられます。電動モーターを使うタイプは「ポッドプロペラ」とも呼ばれます。
アジマス推進器が採用される主な船種と理由は次のとおりです。
- クルーズ船・フェリー:港での精密な着桟に優れ、タグボートなしで接岸できる
- 掘削船・洋上作業船:波の中でも定位置をほぼ自動で維持する「ダイナミック・ポジショニング」に不可欠
- 砕氷船:後進時も前進と同等の推力を発揮でき、氷の中での機動性が高い
- フェリー・RoRo船:バウスラスターと組み合わせてサイドスラスト能力を強化
操縦の自由度が飛躍的に高まることで、狭水域や悪天候での安全性が大きく向上しており、現代の大型船舶で標準的な装備になっています。
使い方・例文
大型クルーズ船が狭い港に着岸する際、アジマス推進器を横向きに回転させて船体を真横にスライドさせながら、タグボートなしで正確にバース(係留場所)に接触させることができます。
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