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T・M・スキャンロンとは?

てぃーえむすきゃんろん

T・M・スキャンロンは、「誰も合理的に拒否できない原理に従って行動する」という契約主義の倫理学で知られるアメリカの哲学者です。

T・M・スキャンロン(Thomas Michael Scanlon、1940年〜)は、ハーバード大学哲学教授として長年活動した、現代英語圏を代表する道徳哲学者の一人です。分析倫理学における契約主義(contractualism)の代表的論者として広く知られています。

スキャンロンの主著『What We Owe to Each Other』(1998年)は、現代倫理学の必読書のひとつに数えられます。この書でスキャンロンは、「ある行為が道徳的に正しいのは、それが合理的な人々の間で誰もが合理的に拒否できない原理に合致しているときである」という立場を展開しました。

この枠組みの特徴は以下の通りです。

  • 功利主義のように結果の総量だけを重視するのではなく、各個人の立場と異議申し立ての可能性を重視する
  • 道徳的理由とは、他者との関係において互いに正当化できる根拠である
  • 義務感の源泉を神や自然法則ではなく、人々の相互承認に求める

スキャンロンはまた、責任論や価値論にも貢献しており、道徳的責任と制御の関係を論じた研究でも評価されています。彼の契約主義は、政治哲学や法哲学にも影響を与え、ロールズ的な社会契約論とは異なる個人間の道徳的正当化の論理を提示しています。

使い方・例文

「なぜ他人を傷つけてはいけないのか」という問いに対して、スキャンロン流に答えるなら「それは被害者が合理的に拒否できる行為だから」となり、規則の根拠を互いの承認に求める議論として倫理学の授業や入門書でよく紹介されます。

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