錫地とは?
すずじ
錫地とは、錫(すず)を素地に用いたり錫箔・錫粉で表面を覆ったりした金工・漆芸などの工芸技法で、独特の銀白色の光沢が特徴です。
錫地(すずじ)は、工芸品において錫(Sn)を素材として用いた素地、またはその表面仕上げを指す用語です。主に漆芸・金工・陶芸の分野で使われ、錫の持つ柔らかな銀白色の光沢と加工のしやすさを活かした表現手法です。
錫地が用いられる主な分野と特徴は以下の通りです。
- 漆芸:漆器の下地や中塗りに錫粉・錫箔を用いることで、研ぎ出し技法によって輝きを引き出す。錫粉蒔きは蒔絵の技法のひとつ
- 金工:錫は融点が低く(約232℃)、加工しやすいため器物・茶道具・酒器の素材として用いられる
- 陶磁器:錫を釉薬に加えた錫釉は白色不透明な発色となり、マジョリカ焼きやデルフト陶器に代表される絵付け磁器の白い地肌を生み出す
日本では江戸時代から錫製の酒器や茶道具が珍重され、大阪・能作(現在は富山が主産地)など各地に錫器の産地が生まれました。錫は抗菌性があり水を清浄に保つとされたことから、お酒や水を入れる器として好まれてきた歴史があります。現代では伝統工芸品としての錫器製作が継続されるとともに、現代アートやプロダクトデザインにも取り入れられています。
使い方・例文
富山県高岡市の伝統的な錫器職人が手がけた錫地の片口(かたくち)酒器は、やわらかな銀白色の光沢と使い込むほどに増す風合いから、茶道や日本酒愛好家に人気があります。
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