本文へスキップ

鉤虫とは?

こうちゅう

鉤虫とは、土壌に生息する寄生虫の一種で、皮膚から侵入してヒトの小腸に寄生し、慢性的な鉄欠乏性貧血を引き起こします。

鉤虫(こうちゅう、hookworm)は、回虫目鉤虫科に属する線虫(寄生虫)の総称です。ヒトに感染する主な種はNecator americanusアメリカ鉤虫)とAncylostoma duodenale(十二指腸鉤虫)の二種で、熱帯・亜熱帯地域を中心に世界で数億人が感染していると推定されています。日本でも戦前から戦後にかけては農村部に広く分布していましたが、衛生環境の改善により現在は稀な感染症となっています。

鉤虫の生活環は特徴的です。感染性幼虫(フィラリア型幼虫)が土壌中に存在し、素足で土に触れた際に皮膚を穿通して体内に侵入します。幼虫は血流やリンパ管を通じて肺に達し、気管支・食道を経て飲み込まれ、最終的に小腸粘膜に定着して成虫になります。成虫は鉤状の口器で腸粘膜に噛みつき、血液を吸い続けて生息します。

鉤虫感染の主な影響は以下のとおりです。

  • 皮膚穿入時に「地面かゆみ」と呼ばれる皮膚炎が生じる
  • 肺を通過する際に咳・喘鳴が現れることがある
  • 成虫による持続的な吸血が慢性的な鉄欠乏性貧血・低タンパク血症を引き起こす
  • 小児では発育障害・認知機能への影響も懸念される

診断は便の虫卵検査で行い、アルベンダゾールやメベンダゾールなどの抗寄生虫薬で治療します。予防には裸足での土壌接触を避けること、衛生的なトイレの使用、人糞を肥料として使用しないことが重要です。

使い方・例文

熱帯地域での農作業中に素足で土に触れた後、足の皮膚がかゆくなり数週間後に貧血症状が現れた場合、鉤虫感染が疑われます。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語