語用論とは?
ごようろん
文脈や話し手・聞き手の意図を考慮して、言語表現の実際の使われ方や意味を研究する言語学の分野です。
語用論(ごようろん、pragmatics)は、言語学の一分野で、言語表現が実際のコミュニケーション場面でどのように使われ、どのように意味を伝えるかを研究します。文の字義通りの意味(意味論が扱う領域)ではなく、文脈・話し手の意図・社会的関係・状況によって変わる「発話の意味」に焦点を当てます。
語用論の主要な研究テーマには次のものがあります。
- 発話行為論:言語は情報伝達だけでなく行為でもあるという考え方。「約束する」「命名する」「謝罪する」など発話そのものが行為となるケースをジョン・オースティンとジョン・サールが体系化しました。
- 会話の含意:ポール・グライスが提唱した「協調の原理」と「会話の格率」。「塩を取ってもらえますか?」は疑問文でありながら依頼として機能するような間接的な意味のやり取りを説明します。
- 関連性理論:ダン・スペルベルとデイドリ・ウィルソンが提唱した、発話理解はコストと効果のバランスで最も関連性の高い解釈が選ばれるという理論。
語用論は翻訳・外国語教育・会話分析・人工知能の自然言語処理など幅広い応用分野を持ちます。同じ言葉でも文脈によって全く異なる意味になることの仕組みを解明するのが語用論の核心です。
使い方・例文
「もう少し小さな声で話せますか?」という表現が、能力への問いではなく静かにしてほしいという依頼として機能するのは語用論的な間接発話行為の典型例で、AIの自然言語処理設計でも重要なテーマです。
この用語をシェア
最終更新: