行為功利主義とは?
こういこうりしゅぎ
行為功利主義とは、個々の行為ごとにその結果がもたらす幸福の総量を計算し、最大多数の最大幸福をもたらす選択が道徳的に正しいとする倫理学の立場です。
行為功利主義(Act Utilitarianism)は、功利主義倫理学の一形態で、個別の行為それぞれについて、その結果が生み出す幸福(効用)の総量が最大化されるかどうかによって道徳的正しさを判断する立場です。
功利主義はジェレミー・ベンサムやジョン・スチュアート・ミルによって体系化された倫理学説であり、「最大多数の最大幸福」を道徳の基準とします。その中で行為功利主義は、最もシンプルな形態として「今から行おうとするこの行為は、他の選択肢と比べて全員の幸福の総量を最大化するか?」という問いを各行為に対して適用します。
行為功利主義の特徴と問題点は以下の通りです。
- 状況への柔軟性: 固定したルールに縛られず、状況ごとに最善の選択を求める
- 計算の難しさ: 行為の結果がもたらす幸福・不幸をすべて予測・数値化することは現実には困難
- 権利侵害の問題: 多数の幸福のために少数の権利を侵害することが正当化されうるという批判がある
- 規則功利主義との対比: 「幸福を最大化する規則に従う」という規則功利主義と区別される
哲学的議論では「5人を救うために1人を犠牲にすることは正当か」というトロッコ問題が行為功利主義の典型的な思考実験として取り上げられます。
使い方・例文
「嘘をつくことは一般に悪いが、今この状況で嘘をつくことで多くの人が助かるなら正しい」と判断するのが行為功利主義的な考え方で、ルールより結果を優先します。
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