絶対精神とは?
ぜったいせいしん
絶対精神とは、ヘーゲル哲学の中心概念で、世界の一切を包含し自己を知るに至った究極的な精神の状態・原理を指します。
絶対精神(absoluter Geist)は、ドイツの哲学者ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルの哲学体系における最高の概念です。ヘーゲルは世界の歴史と精神の発展を、精神が自己を実現しながら段階的に展開していく弁証法的な過程として捉えました。
ヘーゲルの体系では精神は次のような段階を経て発展します。
- 主観的精神:個人の心や意識のレベル
- 客観的精神:家族・市民社会・国家という社会的制度として現れた精神
- 絶対精神:芸術・宗教・哲学において精神が自己そのものを対象として認識する段階
絶対精神の段階では、芸術が感覚的形式で真理を表現し、宗教が表象(イメージ)によって、そして哲学が純粋な概念・思考によって絶対者を把握するとされます。哲学はその最高形式として、精神が自分自身を完全に認識し、自由を実現した状態です。
絶対精神の概念はしばしば「神と世界と人間の統一」として語られ、ヘーゲルのキリスト教的背景と深く結びついています。マルクスはこの概念を批判的に継承し、精神の弁証法を物質・経済の弁証法として転倒させる「唯物弁証法」を展開しました。
使い方・例文
哲学史の講義でヘーゲルを扱うとき、「絶対精神」は世界の歴史が精神の自己実現の過程であるというヘーゲルの壮大な思想を象徴する語として登場します。
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