穴窯とは?
あながま
穴窯とは、斜面に掘った穴または半地下の構造を利用して焼成を行う、古代から続く伝統的な陶芸用の窯のことです。
穴窯(あながま)は、丘や傾斜地に横穴を掘り、または煉瓦・石で斜面に沿って築いた細長いトンネル状の窯です。炉の最奥部に燃料である薪を燃やし、その炎と熱気が窯内を流れて作品を焼き上げます。
日本への穴窯の伝来は5世紀前後とされており、朝鮮半島から須恵器の技術とともにもたらされたと考えられています。それ以前の土師器を焼いた野焼きとは異なり、密閉された空間で高温(1200〜1300℃以上)を維持できるため、硬質で耐水性の高い焼き物が作れるようになりました。
穴窯の最大の特徴は、薪の灰が作品に降り積もって自然釉(しぜんゆ)となり、偶発的な模様や色合いを生み出す点です。炎の向きや燃焼状態によっても窯変(ようへん)と呼ばれる予期せぬ景色が現れ、それが穴窯作品の魅力となっています。焼成には数日から一週間以上かかることもあり、作家が交代で薪をくべながら火を絶やさないよう管理します。
現代でも信楽・伊賀・備前などの産地では穴窯が現役で使われており、工業的な電気窯やガス窯にはない土味や景色を追求する陶芸家に重宝されています。
使い方・例文
備前焼の作家が穴窯で一週間かけて焼成した花入れは、自然釉の流れと炎の軌跡が独特の表情を生み出していた。
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