祖本とは?
そほん
祖本とは、写本や版本などの伝承において、現存するすべての写しの大本(おおもと)となった原本・最古の本のことです。
祖本(そほん)とは、書物の伝承において、現在に伝わるさまざまな写本・版本・印刷本などのすべての系統の源となった、最も古い原本(オリジナル)を指す書誌学・文献学の専門用語です。
古典文学・歴史書・仏典など、長い年月をかけて書き写されてきた書物は、その過程で内容の誤写・省略・加筆が生じます。そのため、現存する複数の写本を比較・校合(こうごう)することで、より原典に近い形を復元しようとする研究が行われます。この際、複数の系統の写本が最終的にたどり着く「共通の親」に当たる本が祖本です。
祖本の概念が重要になる場面には次のようなものがあります。
- 原本が失われ、複数の写本だけが残っている古典文学の研究
- 複数の刊本(印刷本)の系統を整理して底本を確定する作業
- 仏典・経典の異本比較による正確なテキストの復元
祖本は必ずしも現存するとは限らず、写本同士の系統関係を論理的に推定することで「かつて存在したはずの祖本」が想定される場合もあります。日本では『源氏物語』や『万葉集』の本文研究でこの概念が重要な役割を果たしており、国文学・漢籍研究において欠かせない文献学の基礎概念です。
使い方・例文
「現存する写本を比較した結果、この祖本にあたる本は鎌倉時代に書かれたと推定される」という場面で使われます。
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