潜在的カリキュラムとは?
せんざいてきかりきゅらむ
潜在的カリキュラムとは、学校の正式な教育課程には明示されていないにもかかわらず、学校生活を通じて児童・生徒が無意識に習得する価値観・規範・行動様式のことです。
潜在的カリキュラム(Hidden Curriculum・隠れたカリキュラム)は、学校が意図的に設定した教育目標や授業内容とは別に、学校という場の雰囲気・制度・人間関係・慣行を通じて学習者が暗黙のうちに習得していく知識・態度・価値観を指す教育社会学上の概念です。1968年にフィリップ・W・ジャクソンが著書『Life in Classrooms』で広めたとされています。
潜在的カリキュラムが機能する具体的な場面の例は以下のとおりです。
- 時間を守ることや整列行動の習慣化(規律の内面化)
- 成績評価を通じた競争意識や序列感覚の形成
- 教師への従順な態度の学習(権威への服従)
- 性別役割分業を前提とした教師の言動や教材の描写
- 特定の文化的価値観が「当然のこと」として伝達される場面
潜在的カリキュラムは、社会の秩序を再生産する機能を持つとも批判的に論じられます。たとえば、支配的な文化規範や階層意識が意図せずして学校空間で継承されるという問題提起は、批判的教育学(フレイレやアップルら)の重要なテーマです。
一方、潜在的カリキュラムは必ずしも否定的な概念ではなく、協調性・思いやり・市民としての倫理観など積極的な社会規範の伝達にも寄与します。教育者がその存在を自覚し、意図的に望ましい方向へ設計しようとする取り組みも重要視されています。
使い方・例文
授業内容ではなく「給食当番・掃除当番をこなすことで責任感や協調性が身につく」という現象が、潜在的カリキュラムの働きとして説明される代表例です。
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