比較優位とは?
ひかくゆうい
比較優位とは、他者と比べて得意不得意があっても、相対的に機会費用が低い分野に特化することで互いに利益を得られるという経済学の原理です。
比較優位(comparative advantage)は、19世紀初頭にデイヴィッド・リカードが提唱した経済学の基本原理です。ある個人・企業・国家がすべての面で他より劣っていても(絶対的に不利でも)、相対的に機会費用が低い活動に特化することで、双方が利益を享受できると説明します。絶対的な優位性を問う「絶対優位」とは区別されます。
わかりやすい例として、医師と秘書の関係が挙げられます。仮に医師がタイピングも診察も秘書より得意であるとします(絶対優位)。しかし医師が診察に費やす1時間の機会費用は非常に大きいため、タイピングは秘書に任せ、自分は診察に集中した方が全体として生産性が高まります。このとき秘書はタイピングにおいて比較優位を持っています。
国際貿易において比較優位の原理は特に重要で、以下のことを示しています。
- 各国が比較優位を持つ財の生産に特化し、輸出入を行うことで、世界全体の生産量が増加する
- 貿易は必ずしも一方の国だけが得をするゼロサムゲームではない
- 経済的に劣位にある国でも、貿易によって利益を得られる
比較優位の概念は、国際貿易理論の礎となっているだけでなく、個人や組織が役割分担・専門化を考える際の思考ツールとしても広く活用されています。
使い方・例文
弁護士が法律の専門家であると同時にタイピングも速かったとしても、タイピングは補助スタッフに任せ、自分は法律業務に集中する方が全体の効率が高くなるという状況が比較優位の考え方です。
この用語をシェア
最終更新: