残留性有機汚染物質とは?
ざんりゅうせいゆうきおせんぶっしつ
残留性有機汚染物質とは、環境中で分解されにくく、生物体内に蓄積しやすい性質を持ち、長距離輸送されて生態系や人体に悪影響を与える有機化学物質の総称です。
残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants、POPs)とは、環境中で長期間にわたって分解されず(難分解性)、脂溶性が高いため動植物の脂肪組織に蓄積しやすく(生体蓄積性)、食物連鎖を通じて生物濃縮が起こり、さらに大気・海流・渡り鳥などを介して発生源から遠く離れた地域にまで運ばれる(長距離移動性)という特性を持つ有機化学物質の総称です。
POPsの問題が国際的に認識されるようになったのは20世紀後半で、農薬のDDTやポリ塩化ビフェニル(PCB)などが生態系や野生動物、そして人体に深刻な影響を与えることが明らかになりました。これを受けて2001年に採択された「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」により、製造・使用・輸出入の禁止・削減が国際的に規制されています。
主なPOPs物質の例は以下のとおりです。
- 農薬類:DDT・アルドリン・ディルドリン・エンドリンなど
- 工業化学物質:PCB(ポリ塩化ビフェニル)・PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)
- 非意図的生成物:ダイオキシン類・フラン類(廃棄物焼却などで生成)
これらは内分泌かく乱作用(環境ホルモン)や発がん性、免疫毒性、神経毒性が懸念されており、特に極地や深海など汚染源から遠い地域の生物や先住民族の健康への影響が問題視されています。
使い方・例文
北極圏の先住民族が主食とするアザラシや鯨の脂肪からPCBやDDTが高濃度で検出された事例は、生物濃縮と長距離輸送という残留性有機汚染物質の特性を示す代表例です。
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