板鰓類の電気受容とは?
ばんさいるいのでんきじゅよう
板鰓類の電気受容とは、サメやエイなどの軟骨魚類が持つ「ロレンチーニ瓶」と呼ばれる感覚器官を通じて、周囲の生物が発する微弱な電場を感知する能力のことです。
板鰓類(ばんさいるい)とは、サメ・エイ・ギンザメなどを含む軟骨魚の一グループです。これらの動物は、脊椎動物の中でも特に高度に発達した電気受容(electroreception)能力を持つことで知られています。
板鰓類の電気受容を担う器官が「ロレンチーニ瓶(ampullae of Lorenzini)」です。吻部(ふんぶ)や頭部を中心に皮膚の表面に開いた小孔(ポア)から始まり、ゲル状物質で満たされた細管が感覚細胞(有毛細胞)に接続された構造をしています。このゲルは高い導電性を持ち、外部の電場を効率よく感覚細胞に伝えます。
板鰓類が感知できる電場の強さは極めて微弱で、サメの場合1ナノボルト毎センチメートル(nV/cm)以下の変動も検出できるとされます。この感度は、砂の中に潜んだ魚が筋肉を収縮させるときに発する生体電流すら捉えられるほどです。
電気受容の機能は主に次の場面で活用されます。
- 砂や岩陰に隠れた獲物の探知
- 地磁気の感知を利用した方向・位置の把握(磁場受容との関係も研究中)
- 近距離での捕食行動における最終的な標的決定
この能力は、視覚・嗅覚・側線感覚などと組み合わさって、板鰓類を海中の優れた捕食者たらしめる重要な感覚系の一つです。
使い方・例文
ダイビングの解説書やサメの生態を紹介するドキュメンタリーで、「サメは砂に潜る獲物の心臓の電気信号まで感知できる」と説明される場面が、板鰓類の電気受容の典型的な登場シーンです。
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