木村資生とは?
きむらもとお
木村資生は20世紀の日本の集団遺伝学者で、進化の大部分は自然選択ではなく遺伝的浮動によって起こるとする「中立進化理論」を提唱した世界的な科学者です。
木村資生(きむら もとお、1924〜1994年)は日本の集団遺伝学者・進化生物学者であり、分子進化の中立理論を提唱したことで国際的に高く評価されました。国立遺伝学研究所に長く在籍し、数理的手法を駆使して遺伝子の進化過程を解析しました。
1968年に発表した中立進化理論の核心は、「分子レベルの進化的変化の大部分は自然選択に対して中立な突然変異が遺伝的浮動によって集団中に固定されることによって起こる」という主張です。それまで主流だったダーウィン的自然選択説(適応的な変異のみが集団に広まる)に真っ向から挑戦し、当初は大きな論争を引き起こしました。しかし、分子生物学的証拠が蓄積されるにつれて中立理論は広く受け入れられ、現代進化生物学の重要な柱のひとつになっています。
木村はこの理論を数学的に厳密に定式化し、突然変異率・有効集団サイズ・置換速度の関係式を導きました。また確率過程論(拡散方程式)を集団遺伝学に応用する手法を開拓したことも重要な功績です。
欧米の研究者と渡り合いながら日本発の進化理論を世界標準として確立した業績は、日本の生命科学史においても極めて稀有な例として記憶されています。
使い方・例文
「なぜタンパク質のアミノ酸配列は一定のペースで変化するのか」を説明する際に中立理論が引用され、分子時計の考え方の根拠として遺伝学の教科書に登場します。
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