截金糸とは?
きりかねいと
截金糸とは、金・銀箔を細く切り出した装飾用の糸状素材で、日本の伝統工芸や仏教美術に広く用いられます。
截金糸(きりかねいと)とは、金や銀の箔を極細に裁断して作る装飾素材のことです。「截金」は本来、細く切った金銀箔を文様として貼り付ける伝統技法(截金技法)を指しますが、截金糸はその素材そのものを糸状に加工したものを指します。
製法としては、金箔や銀箔を和紙に貼り付け、職人が鋭利な刃物で均一な幅に切り分けることで作られます。その幅はわずか0.1〜0.5ミリメートル程度になることもあり、高度な技術と集中力を要します。切り出した箔糸は、そのまま装飾に用いられるほか、絹糸や金属芯の周りに巻き付けて「金糸」や「銀糸」として織物・刺繍・染織品に使われます。
歴史的には仏教の伝来とともに大陸から技術が入り、飛鳥・奈良時代以降に仏像の光背や仏画の装飾に使われるようになりました。平安時代には截金技法が高度に発展し、仏画や経典の装飾として洗練されました。近世以降は能装束・打掛・帯といった高級織物にも用いられ、現代でも伝統工芸品の装飾素材として生産が続いています。
截金糸の魅力は、光の当たり方によって輝きが変化し、絢爛な美しさを生み出す点にあります。現在、截金技法は文化庁の伝統的工芸技術として保護対象に含まれており、後継者育成が課題となっています。
使い方・例文
仏画の衣の輪郭や光背の装飾に截金糸を用いることで、金色の細い文様が施された格調ある仕上がりになります。能装束の豪華な刺繍にも使われる場面があります。
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