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可逆性とは?

かぎゃくせい

可逆性とは、文化財保存・修復の分野で、施した処置を将来的に元に戻せるよう設計・実施するという基本原則のことです。

可逆性(Reversibility)とは、文化財・美術作品の保存修復において、使用する材料や施す処置が将来的に除去・変更できる状態を保つことを意味する基本原則です。将来の修復技術の進歩や新たな知見に対応できるよう、現時点での処置がオリジナルへの不可逆的な変化をもたらさないよう配慮することが求められます。

可逆性が重要視される背景には、過去の修復技術が後の時代に問題視される事例が多く存在することがあります。19〜20世紀初頭には、恒久的な接着剤や塗料を用いた修復が多く行われましたが、それらがオリジナル素材に悪影響を与えたり、後の修復作業を困難にしたりするケースが明らかになりました。

可逆性の実践における主なポイントは以下の通りです。

  • 溶剤で除去可能な接着剤・充填材を選択する
  • オリジナルと同じ材料・工法にこだわらず安全な代替材料を用いる
  • 施した処置の詳細を記録し、次の修復者が参照できるようにする
  • 完全な可逆性が困難な場合は「再処理可能性」を代替目標とする

完全な可逆性はすべての状況で達成できるわけではなく、現実的には「高い可逆性」を目指すことが現場の指針となっています。可逆性は修復倫理の中核的価値として、国際的な保存修復指針に組み込まれています。

使い方・例文

古文書の破損箇所を修復する際、後に取り除ける和紙と水溶性糊を使って補修することが、可逆性の原則に沿った方法の一例です。

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