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公案とは?

こうあん

公案とは、禅宗修行者が思考の限界を超えた悟りを得るために与えられる問答や課題のことです。

公案(こうあん)は、禅宗において師匠が弟子に与える特殊な問いや課題のことです。禅問答(ぜんもんどう)とも呼ばれ、論理的な思考だけでは解答できないように作られており修行者が概念的な思考を超えた「見性(けんしょう)」すなわち本来の自己・仏性を自覚することを目的とします。

公案の起源は中国唐代の禅僧たちの問答にあり、後に「祖師の言葉・行動」を記録した語録が体系化されたものです。宋代に「碧巌録(へきがんろく)」「無門関(むもんかん)」などの公案集が編纂され、現在も禅の修行に広く用いられています。

有名な公案の例としては次のようなものがあります。

  • 「隻手の声(せきしゅのこえ)」—両手を打ち合わせると音がする。では片手の音はどんな音か
  • 「趙州の狗(じょうしゅうのく)」—犬に仏性はあるか、という問いに「無」と答えた故事
  • 「父母未生以前の本来の面目」—生まれる前の自分の顔はどんなものか

臨済宗では公案を体系的に段階的に与えて修行させる「公案禅」が発達しており、一方の曹洞宗では「只管打坐(しかんたざ)」という坐禅そのものを重視します。現代では禅の国際的普及とともに公案はZen koanとして世界に知られ、哲学・心理学・文学の分野でも「答えのない問いで思考の枠を壊す手法」として注目されています。

使い方・例文

禅寺での修行中に師匠から「隻手の声を聞かせよ」と問われる場面や、哲学的な議論で「それはまるで禅の公案のようだ」と比喩的に使われる場面で登場します。

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