モラトリアムとは?
もらとりあむ
モラトリアムとは、社会的な義務や責任の履行が一時的に猶予・延期される期間や状態のことです。
モラトリアム(moratorium)はラテン語の「遅延」を語源とし、元々は金融・法律用語として「債務の支払い猶予」を意味していました。戦時や経済危機の際に、政府が法令によって一定期間、債務返済を停止・延期させる措置がその典型です。
現代では経済的な意味だけでなく、心理学・社会学的な概念としても広く使われます。アメリカの心理学者エリク・エリクソンは、青年期に社会的役割の決定を一時的に猶予される期間を「心理社会的モラトリアム」と呼びました。大学時代などに「社会人としての義務を免除されながら、自己を模索できる猶予期間」が与えられているという考え方です。
日本では1970〜80年代に社会学者の小此木啓吾がこの概念を普及させ、責任を引き受けることを先延ばしにする傾向を「モラトリアム人間」と表現しました。現在では日常語としても定着しており、以下のような文脈で使われます。
- 原子力開発の「核モラトリアム(核実験の一時停止)」
- 新技術の安全確認が取れるまでの「開発モラトリアム」
- 個人の進路決定を先延ばしにした状態の比喩的表現
猶予・保留という本来の意味が社会・心理・政治などの文脈に応用されており、「一時停止」の状態全般を指す多義的な言葉として定着しています。
使い方・例文
「就職を先延ばしにして大学院に進んだ」という状況を、モラトリアムの延長と表現することがあります。
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