ミクロシュ・ヤンチョーとは?
みくろしゅやんちょー
ミクロシュ・ヤンチョーとは、ハンガリーの映画監督で、長回しの移動撮影と権力と暴力をテーマにした独特の映像美学でヨーロッパ映画史に名を残した巨匠です。
ミクロシュ・ヤンチョー(1921〜2014年)は、ハンガリー・ヴァサールヘイ生まれの映画監督で、1960〜70年代のヨーロッパ映画界において最も個性的な作家の一人として国際的に評価されました。
ブダペスト大学で法学を学んだ後に映画に転じ、1958年に監督デビュー。本格的に注目されたのは1960年代からで、1964年の『マイ・ウェイ・ホーム』で高い評価を受け、1965年の『赤いマント』(别題:無頼の群れ)でカンヌ国際映画祭に選出されて国際的な名声を確立しました。
ヤンチョーの映画の最大の特徴は、長回し(ロングテイク)による流れるような移動撮影です。多くの俳優が広大な野外で複雑な動線を描きながら演じるシーンは、まるでバレエのような様式美を持ち、一つのカットが数分にわたることもあります。こうした撮影スタイルは彼の署名とも言えるもので、後の映画作家たちに大きな影響を与えました。
テーマとしては、革命・抑圧・権力・暴力といった社会的・政治的問題を寓話的に描くことが多く、ハンガリーの歴史や社会主義体制下の矛盾を象徴的な映像語法で問い続けました。カンヌ映画祭では監督賞(パルム・ドール審査員特別賞)を受賞しています。
使い方・例文
映画研究や映像表現の講義で「長回し技法の代表」として取り上げられることが多いです。「ヤンチョーのような流麗な移動ショット」という言い方で、カットを割らずに長時間撮り続ける撮影スタイルの極致を表す際に用いられます。
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