ポピュレーションアプローチとは?
ぽぴゅれーしょんあぷろーち
ポピュレーションアプローチとは集団全体に働きかけてリスクの分布を改善する公衆衛生の戦略で、ハイリスク者だけを対象にしない点が特徴です。
ポピュレーションアプローチ(population approach)は、疾患や健康問題のリスクを持つ特定個人ではなく、集団全体を対象に介入して、リスク因子の分布そのものを改善しようとする公衆衛生の考え方です。1981年に疫学者ジェフリー・ローズが提唱した「予防のパラドックス」の概念を背景に発展しました。
ローズのパラドックスとは、「集団に最も大きな疾患負荷をもたらすのは、高リスク者ではなく、中等度リスクの多数の人々である」という考え方です。たとえば高血圧の場合、重篤な高血圧患者を治療するより、集団全体の血圧を数mmHgだけ下げることのほうが、脳卒中の発生数を大きく減らせることがあります。
ポピュレーションアプローチの代表例は以下のとおりです。
- 食塩摂取量を減らすための食品栄養表示の義務化
- たばこ税の引き上げや喫煙規制
- 飲酒運転の法的規制と啓発キャンペーン
- 学校給食の栄養基準の設定
高リスク個人に集中介入するハイリスクアプローチと対になる概念であり、実際の公衆衛生政策では両者を組み合わせて用います。予防医療・健康増進施策の立案において欠かせない視点です。
使い方・例文
塩分の多い食品の製造基準を変えることで、意識しなくても国民全体の塩分摂取量が下がり、高血圧や脳卒中の発症リスクを集団レベルで低減できる——これがポピュレーションアプローチの典型例です。
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