ハウとは?
はう
ハウはニュージーランドなどポリネシア文化における重要な概念で、贈り物や事物に宿る霊的な力・精神を指す言葉として人類学で広く知られています。
ハウ(hau)はマオリ語(ニュージーランドの先住民・マオリ族の言語)に由来する概念で、贈り物や物品に宿ると考えられる霊的な力・精神を意味します。この概念は20世紀初頭にフランスの社会学者マルセル・モースが著作「贈与論」(1925年)で詳細に分析し、人類学・社会学において広く知られるようになりました。
ハウの概念の主な特徴は以下のとおりです。
- 贈り物には元の持ち主のハウが宿っており、受け取った側にはそれを返す(または他者に回す)義務が生じると考えられる
- このハウの循環が社会的な絆や互恵関係を維持する基盤となる
- 単なる経済的交換とは異なり、霊的・道徳的な義務を伴う
- ポリネシア文化全般に類似した概念が見られる
モースはハウの分析を通じて、贈与が単なる無償の行為ではなく、社会的義務と相互関係の網の目の中に組み込まれていることを論じました。この洞察は後の人類学・経済学・社会学にも影響を与えています。
また、マオリ文化においてハウは風(風のような霊的力)を表す語としても使われることがあり、森や自然にも宿ると考えられる場合があります。
使い方・例文
文化人類学の講義で「マオリ族のハウの概念は、贈り物には霊的な力が宿り、必ず返礼しなければならないという思想を表している」と解説されます。
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