ジョン・サールとは?
じょんさーる
ジョン・サールとは、「中国語の部屋」の思考実験で知られるアメリカの哲学者で、言語行為論や心の哲学・意識研究に大きな貢献をした人物です。
ジョン・ロジャーズ・サール(1932〜2021年)は、カリフォルニア大学バークレー校で長年哲学を教えたアメリカの哲学者です。オックスフォード大学でJ・L・オースティンに師事し、言語が実際の行為としてどのように機能するかを研究した言語行為論(Speech Act Theory)をさらに発展させました。
言語行為論においてサールは、発言を「発語内行為」「発語行為」「発語媒介行為」に分類し、人間のコミュニケーションが単なる情報伝達ではなく、社会的・制度的な行為であることを体系的に論じました。「約束する」「命令する」「宣言する」といった言語行為が、どのような条件下で成立するかを詳細に分析した点は言語哲学の基礎として広く参照されています。
心の哲学では、人工知能の意識問題をめぐる「中国語の部屋」という思考実験で世界的に知られています。これは、英語しか理解できない人が規則表に従って中国語の記号を操作した場合、外部からは中国語を理解しているように見えても、内部では何も「理解」していないという実験です。サールはこれによって、記号操作だけで意識や意味理解は生まれないと論じ、コンピューターは構文(シンタックス)を処理できても意味(セマンティクス)を持てないと主張しました。
この議論は人工知能研究・認知科学・神経科学などで現在も広く議論されており、AI倫理や意識研究の重要な参照点となっています。主著に『言語行為』(1969年)、『心・脳・プログラム』などがあります。
使い方・例文
「AIが本当に「理解」しているのかを問う文脈で、サールの「中国語の部屋」の思考実験がよく引用され、大規模言語モデルの能力と限界を論じる際の出発点になっている。」という場面で登場します。
この用語をシェア
最終更新: