カルマン渦とは?
かるまんうず
カルマン渦とは、流体が障害物の後方で規則的に交互に発生する渦の列のことで、流体力学の基本現象の一つです。
カルマン渦(カルマン渦列)とは、流体(空気や水など)が円柱などの障害物の周りを流れるとき、障害物の後方に左右交互に規則的な渦が連なって発生する現象です。ハンガリー出身の物理学者テオドール・フォン・カルマンがこの現象を理論的に解析したことから、その名が付けられました。
発生のしくみとして、流体が障害物に当たると、その後方の流れが不安定になります。ある流速を超えると、障害物の左右から交互に渦が剥離し、これが周期的な渦の列(渦列)を形成します。渦の発生頻度はストローハル数という無次元数で表され、障害物の形状・大きさと流速によって決まります。
身近な例には次のようなものがあります。
- 旗竿に風が当たってはためく「旗のなびき」
- 橋脚や送電線が風によって振動する現象
- 煙突や高層ビルの風下に生じる気流の乱れ
- 川の流れの中の橋脚後方に見える水の渦
工学的な影響として、カルマン渦が構造物に周期的な力を加えることで共振が起き、建物・橋・航空機部品が破損する事例が知られています。タコマナローズ橋崩壊(1940年)がその有名な例として引用されることがあります。設計段階でカルマン渦の周波数を構造物の固有振動数とずらすことが重要です。
使い方・例文
送電線が風でうなりを上げるとき、カルマン渦による周期的な振動が原因のひとつです。流体力学の教科書や橋梁・建築の耐風設計を説明する場面で頻出します。
この用語をシェア
最終更新: