イマヌエル・ラカトシュとは?
いまぬえるらかとしゅ
イマヌエル・ラカトシュとは、科学的研究プログラムの方法論を提唱したハンガリー生まれの科学哲学者です。
イマヌエル・ラカトシュ(Imre Lakatos、1922〜1974)は、ハンガリー出身の科学哲学者・数学哲学者で、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で長く教鞭を執りました。ユダヤ系の出自を持ち、第二次世界大戦中の苦難や戦後のハンガリーにおける政治的迫害を経験した後、1956年のハンガリー動乱を機に西側に亡命しました。
彼の最大の学術的貢献は、「科学的研究プログラムの方法論(MSRP)」の提唱です。これは師であるカール・ポパーの「反証主義」を継承しながらも批判的に発展させたもので、科学は単一の理論の反証によって進歩するのではなく、「硬いコア」と呼ばれる中心的仮定を守りながら「保護帯」と呼ばれる補助仮説を修正することで進展するという考え方です。
また、数学の哲学においても重要な業績を残しています。著書『証明と反駁』では、数学的知識が演繹的証明だけでなく歴史的・対話的なプロセスを通じて形成されることを明らかにし、数学の哲学に大きな影響を与えました。
ラカトシュは51歳で急逝しましたが、その思想はトーマス・クーンやパウル・ファイヤアーベントと並び、20世紀後半の科学哲学の中心的議論を形成し、科学社会学や科学史の研究にも広く引用されています。
使い方・例文
科学哲学の授業で「なぜ科学者は反証が出ても理論を捨てないのか」を説明するとき、ラカトシュの研究プログラム論が引き合いに出されます。
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