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アンチトロンビンとは?

あんちとろんびん

アンチトロンビンとは、血液が不必要に固まるのを防ぐために体内で働く重要なたんぱく質(凝固阻止因子)のことです。

アンチトロンビン(antithrombin、略称AT)は、肝臓で産生されるセリプロテアーゼ阻害剤(セルピン)の一種で、血液凝固系の過剰な活性化を抑える役割を担います。かつてはアンチトロンビンIIIとも呼ばれていました。

血液凝固はトロンビンと呼ばれる酵素が中心的役割を果たしており、傷口などで出血が起きるとトロンビンが活性化し、フィブリノーゲンをフィブリンに変えて血栓(血の塊)を形成します。しかし、このプロセスが過剰に進むと、血管内で不必要な血栓ができて血流を妨げてしまいます。アンチトロンビンはトロンビンに直接結合してその活性を阻害し、凝固反応にブレーキをかけます。また、第Xa因子・第IXa因子など他の凝固因子も阻害することが知られています。

アンチトロンビンの作用はヘパリンによって大幅に増強されます。ヘパリンはアンチトロンビンと複合体を形成することでその阻害活性を数百〜数千倍に高めるため、血栓症の予防・治療にヘパリンが使用される際にはアンチトロンビンの存在が不可欠です。

先天的にアンチトロンビンの量や活性が低下している場合(アンチトロンビン欠乏症)は、深部静脈血栓症や肺塞栓症などの血栓塞栓症を繰り返しやすくなります。臨床では血液検査でアンチトロンビン活性を測定し、播種性血管内凝固症候群(DIC)の重症度評価や治療方針の決定に活用されています。

使い方・例文

血液内科や救急・集中治療の現場で、「アンチトロンビン活性が低下しているためヘパリンが効きにくい」といった文脈で用いられます。DIC(播種性血管内凝固症候群)の検査値としても日常的に登場します。

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