アレクサンダー・トッドとは?
あれくさんだーとっど
アレクサンダー・トッドは、ヌクレオチドおよびヌクレオチド補酵素の構造と合成を解明し、DNAの化学的理解に大きく貢献した、1957年ノーベル化学賞受賞のイギリスの有機化学者です。
アレクサンダー・ロバートソン・トッド(Alexander Robertus Todd、後に初代トッド男爵、1907〜1997年)は、スコットランド・グラスゴー出身の有機化学者で、ケンブリッジ大学を拠点に核酸化学の基礎を確立しました。
トッドの主要な研究テーマは、生命の情報伝達・エネルギー代謝に不可欠なヌクレオチドの化学的構造の解明と、その化学合成法の開発でした。彼はATP(アデノシン三リン酸)の構造を確定し、ADP・AMPなどのリン酸エステル結合の性質を明らかにしました。また、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)やFADといった補酵素の構造も解明しています。
これらの業績は、DNAやRNAがどのような化学的骨格を持つかを理解するための礎となりました。ワトソンとクリックによるDNA二重らせん構造の発見(1953年)が可能になった背景には、トッドたちによるヌクレオチド化学の蓄積がありました。
- ATPをはじめとするヌクレオチドの構造決定
- NAD・FADなど補酵素の化学的解明
- 核酸の化学合成手法の開拓
- 1957年ノーベル化学賞を受賞
トッドはまたイギリス化学界のリーダーとして、王立化学会やケンブリッジ大学の運営にも深く関わり、20世紀イギリス科学を代表する人物の一人です。
使い方・例文
生化学の授業でATPの構造やエネルギー代謝を学ぶ際、その化学的基盤を明らかにした研究者としてアレクサンダー・トッドの名が登場します。
この用語をシェア
最終更新: