レーダーとは?電波で距離や速度を測る仕組みと歴史をわかりやすく解説
公開 2026年8月14日
レーダーとはどのような技術か
レーダー(RADAR)は、Radio Detection And Ranging(電波による探知と測距)の略称であり、マイクロ波などの電波を空間に向けて放射し、対象物に当たって跳ね返ってくる反射波を受信することで、その距離・方位・速度・形状などを非接触で計測する技術である。光や音波と異なり、天候や暗闇の影響を受けにくいことが大きな特徴である。
第二次世界大戦での発展の歴史
レーダーの基礎となる、電波が物体に反射する性質は19世紀末から知られていたが、実用的なレーダー装置として発展したのは1930年代のことである。イギリス・ドイツ・アメリカ・フランス・ソ連など、複数の国がそれぞれ独自にレーダー技術の開発を進めていた。
特にイギリスは、第二次世界大戦において「チェーン・ホーム」と呼ばれるレーダー網を国内沿岸に整備し、飛来する敵機をいち早く探知することでバトル・オブ・ブリテンにおける防空戦を有利に進めたことで知られている。この戦争を通じてレーダー技術は急速に発展し、戦後は軍事以外の分野にも応用が広がっていった。
距離や速度を測る仕組み
レーダーの基本原理は、電波を発射してから反射波が戻ってくるまでの時間を計測することで距離を求める、というものである。
- 電波を対象物に向けて発射する
- 対象物に当たって反射した電波を受信する
- 発射から受信までの時間差から距離を計算する
- 反射波の周波数の変化(ドップラー効果)から速度を計算する
パルス方式と連続波方式
レーダーには、短い電波を断続的に発射して反射波が戻る時間を測る「パルス方式」と、連続的に電波を発射し続けて周波数の変化から速度を捉える「連続波方式」がある。航空管制など長距離を対象とする用途ではパルス方式が、自動車の速度計測などにはドップラー効果を利用しやすい連続波方式が用いられることが多い。
現代社会でのさまざまな活用
レーダーは軍事分野だけでなく、現在では民間のさまざまな場面で活用されている。空港の航空管制では飛行機の位置を把握するために、気象観測では雨雲の動きを捉えるために、船舶では航行の安全を確保するために、それぞれレーダーが利用されている。近年では自動車にも小型のレーダーが搭載され、前方車両との距離を検知して衝突を防止する運転支援システムにも応用が広がっている。
まとめ
レーダーは、1930年代に複数の国で開発が進み、第二次世界大戦を通じて実用化された電波利用技術である。当初は軍事目的での敵機探知が主な用途であったが、戦後は航空・気象・船舶といった民間分野へと利用が広がり、今では自動車の安全運転支援にまで応用されている。距離や速度を非接触で正確に計測できるという特性を生かし、現在では幅広い分野で私たちの安全を支える技術として活用されている。