選好功利主義とは?
せんこうこうりしゅぎ
選好功利主義とは、快楽ではなく人々の「選好(望むこと)」の充足を最大化しようとする功利主義の立場です。
選好功利主義(Preference Utilitarianism)とは、行為の善悪をその結果として生じる選好(preference)の充足度で評価する倫理学上の立場です。古典的功利主義が「快楽の最大化・苦痛の最小化」を目標としたのに対して、選好功利主義は人々が実際に望んでいることの実現を価値の基準に置きます。
代表的な提唱者として、オーストラリアの哲学者ピーター・シンガーが挙げられます。彼は動物倫理の議論においても選好功利主義を応用し、苦痛を感じる能力(センティエンス)を持つすべての存在の選好を考慮すべきと論じました。
選好功利主義の特徴として以下の点が挙げられます。
- 主観的な快不快だけでなく、当人の意志や望みを尊重する
- 現在の選好だけでなく、将来の選好も考慮する「現実の利益」概念
- 動物・将来世代の利益まで射程に入れうる広い視野
批判点としては、「誤った選好(他者を傷つけたいという欲求など)」をどう扱うか、選好の測定・比較が困難であること、などが指摘されています。現代の応用倫理学・生命倫理・動物倫理の議論で重要な位置を占めます。
使い方・例文
動物の権利や安楽死の倫理について哲学的に議論する場面、あるいは経済政策の厚生評価を行う場面でよく参照されます。
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