補完性の原理とは?
ほかんせいのげんり
「原理」の用語まとめを見る補完性の原理とは、より小さな組織や地域が対応できないことに限って、上位の組織・政府が補助的に介入すべきという統治の原則です。
補完性の原理(principle of subsidiarity)とは、政治・行政・組織論における統治の基本原則で、「ある問題は最も小さい(地域に近い)組織や単位が主体的に解決すべきであり、それが困難な場合に限り、上位の組織が補完的に関与すべき」という考え方です。
この原理はカトリック社会教説に起源を持ち、1931年の回勅『クアドラゲシモ・アンノ』で体系化されました。その後、欧州統合のプロセスでも重要な概念となり、1992年に締結されたマーストリヒト条約(欧州連合条約)に明文化されました。
補完性の原理が重視される理由は以下のとおりです。
- 地域の自律性の尊重:地方の事情をよく知る地域・住民が意思決定の主体となるべき
- 過度の中央集権の防止:上位機関への権限集中を避け、権力の分散を図る
- 効率性:現場に近い組織の方が迅速かつ適切な対応ができる場合が多い
- 民主主義の強化:住民参加や地方自治を推進する論拠となる
日本でも地方分権推進の文脈で補完性の原理が参照され、国・都道府県・市町村の役割分担を考える際の指針として用いられます。EU内では、欧州委員会が加盟国の権限を侵害していないか審査する基準としても機能しています。
使い方・例文
ゴミの収集は市区町村が担い、広域的な感染症対策は都道府県や国が担うというように、問題の規模や影響範囲に応じて担当組織を決める考え方が補完性の原理の実践例です。
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