葉緑体ゲノムとは?
ようりょくたいげのむ
葉緑体ゲノムとは、植物細胞の葉緑体内に存在する独自のDNAで、光合成に関わる多くの遺伝子をコードしています。
葉緑体ゲノム(chloroplast genome、cpDNA)とは、植物・藻類の細胞内に存在するオルガネラ「葉緑体」が保有する固有のDNAです。核ゲノムとは独立して存在し、一般に環状の二本鎖DNAとして葉緑体内に複数コピーが存在します。
葉緑体はかつて独立した光合成シアノバクテリア(藍藻)が真核細胞に取り込まれたことに由来するとされており(細胞内共生説)、その名残として独自のゲノムを持ちます。葉緑体ゲノムのサイズは植物の種によって異なりますが、おおむね120〜160 kb(キロベース対)程度で、核ゲノムよりはるかに小さいです。
コードされている遺伝子の主な種類は以下のとおりです。
- 光合成関連遺伝子:光化学系I・II、シトクロムb6/f複合体、RuBisCO(rbcL)など
- 転写・翻訳機構:リボソームRNA(rRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、RNAポリメラーゼサブユニット
- その他:ATP合成酵素サブユニット、NADHデヒドロゲナーゼなど
葉緑体ゲノムは母性遺伝(多くの植物で母親側から伝わる)という特性を持つため、植物の系統解析・品種鑑定・進化研究に広く利用されています。rbcL遺伝子やmatK遺伝子は植物のDNAバーコーディング(種の同定)にも活用されています。
使い方・例文
農産物の品種鑑定や産地証明の分析手法として、葉緑体ゲノムの特定領域を解析するDNAバーコーディングが活用されています。
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