本文へスキップ

能装束とは?

のうしょうぞく

能装束とは、能楽の舞台で役者が身に着ける衣装の総称で、精緻な織物技術と豊かな色彩特徴とする伝統的な染織品です。

能装束(のうしょうぞく)は、日本の伝統芸能である能楽の舞台において、シテ方ワキ方などの役者が着用する衣装の総称です。室町時代に能が大成されて以来、能装束は武家や公家の庇護のもとで発展し、現在では独立した工芸品・染織品の分野として高く評価されています。

能装束には主に以下の種類があります。

  • 唐織(からおり):金銀糸を使った最も格の高い豪華な織物
  • 厚板(あついた):男役に使われる格子や縞模様の織物
  • 縫箔(ぬいはく):刺繍と摺箔(金銀箔の押し付け)を施した衣装
  • 摺箔(すりはく):金銀箔を文様に沿って押した薄手の衣装
  • 法被(はっぴ)・長絹(ながきぬ)など役柄に応じた各種衣装

能装束の制作には、西陣織をはじめとする高度な織物・染色・刺繍の技術が総動員され、一着を仕上げるのに数ヶ月から一年以上を要することもあります。舞台照明のもとで金銀糸が輝き、演者の動きに合わせて文様が映える視覚効果も計算されています。能装束は演じる演目・役柄・性別・身分によって厳密に使い分けられており、その選択自体が演技表現の一部です。現在は重要無形文化財の保持者(人間国宝)による制作も行われています。

使い方・例文

能舞台でシテ方が「羽衣」を演じる際に天女の衣として唐織を纏う場面など、衣装そのものが役の格や情感を表す重要な表現手段となっています。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語