緩速ろ過とは?
かんそくろか
砂の層にごくゆっくりと水を通し、砂表面に育つ微生物の働きも借りながら不純物を除去する水処理方式です。
緩速ろ過とは、砂の層に非常にゆっくりとした速度で水を通過させ、砂粒の表面に形成される生物膜(シュムッツデッケ)中の微生物の働きも組み合わせて、水中の濁りや有機物・細菌を除去する水処理技術です。
仕組みの特徴は、その名の通り通水速度が毎時0.1〜0.3m程度と非常に遅い点にあります。水がゆっくり砂層を下りる間に、物理的なろ過だけでなく、砂の表面に自然に形成される生物膜が有機物や細菌を分解・捕捉するという生物学的浄化作用が働きます。この生物膜が機能するまでに一定の立ち上がり期間が必要です。
凝集剤などの薬品を基本的に使わないため、薬品コストが低く維持管理が比較的シンプルです。また薬品由来の副産物が生じにくい利点があります。ただし処理速度が遅いため、急速ろ過と比べて大量の水を処理するには広大な面積が必要となります。
歴史的には急速ろ過より古い方式で、欧米では19世紀から使われてきました。日本でも中小規模の浄水場や原水の水質が比較的良好な地域で今日も活用されており、自然の浄化機能を活かす環境負荷の少ない技術として再評価されています。
使い方・例文
水源の水質が良く処理量が少ない地域の浄水場では、薬品を使わない緩速ろ過で安全な飲料水を作っています。
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