異邦人とは?
いほうじん
『異邦人』はアルベール・カミュが1942年に発表したフランス語小説で、不条理文学の代表作として世界的に知られています。
『異邦人』(L'Étranger)は、フランスのノーベル賞作家アルベール・カミュが1942年に発表した長編小説です。カミュの哲学的概念である「不条理」を小説の形で体現した作品として、20世紀文学の金字塔に位置づけられています。
物語の主人公ムルソーは、母親の死に涙を流さず、翌日には恋人と海水浴を楽しむという、社会的規範から逸脱した人物として描かれます。やがて彼は太陽の光に眩惑されたという理由でアラブ人を殺してしまい、裁判にかけられます。しかし彼が有罪とされる実質的な理由は殺人そのものより、母の死を悼まなかったという「世間の常識」に反する態度でした。
この作品が示す「不条理」とは、人間が世界に意味を求めながらも世界はそれに応えないという根本的な乖離を指します。ムルソーは処刑を前に、世界の「優しい無関心」に気づき、初めて自分の存在を肯定する境地に至ります。
文体は極めて簡潔で感情を排した一人称叙述が特徴で、主人公の内面的な疎外感を効果的に表現しています。20世紀実存主義・不条理哲学の文脈で必読の作品とされ、世界中の大学や高校で広く読まれています。
使い方・例文
哲学や文学の授業で「不条理」や「実存主義」を学ぶ際に必ず言及される作品です。「母が死んだ。あるいは昨日かもしれない」という有名な書き出しは、主人公の感情的な無関心を象徴するものとして広く引用されます。
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