極低温推進剤とは?
きょくていおんすいしんざい
極低温推進剤とは、液体水素や液体酸素など極めて低い温度で液化状態を保つロケット燃料・酸化剤の総称です。
極低温推進剤(クライオジェニック推進剤)とは、常温では気体であるものを極めて低温に冷却して液化した状態でロケットの燃料や酸化剤として使用する物質の総称です。代表例として液体水素(沸点約マイナス253度)と液体酸素(沸点約マイナス183度)があります。
液体水素と液体酸素の組み合わせは、化学推進剤の中でも最高クラスの比推力(単位燃料あたりの推力効率)を持ち、大型ロケットの上段エンジンや基幹ロケットに広く採用されています。H-IIAロケットのLE-7Aエンジンや、NASAのスペースシャトルのメインエンジンもこの組み合わせを使用していました。
極低温推進剤の主な特徴は以下の通りです。
- 高い比推力による効率的な軌道投入
- 燃焼後の排出物が主に水蒸気で環境負荷が低い
- 極低温での貯蔵・取り扱いに専用インフラが必要
- 長期保管中に蒸発ロスが生じるため打ち上げ直前に充填する
近年は液体メタンも極低温推進剤として注目されており、SpaceXのラプターエンジンが採用しています。火星での現地調達(現地で生産)が理論上可能な点が、将来の有人火星探査における利点として挙げられています。
使い方・例文
ロケットの打ち上げ直前に液体酸素を充填するタンクから白煙が立ち上るシーン、あれが極低温推進剤が気化する様子です。
この用語をシェア
最終更新: