根源的時間性とは?
こんげんてきじかんせい
根源的時間性とは、ハイデガーが『存在と時間』で示した概念で、人間の存在が「過去・現在・未来」を統合した時間的構造として成り立つことを指します。
根源的時間性(こんげんてきじかんせい、ursprüngliche Zeitlichkeit)は、ドイツの哲学者マルティン・ハイデガーが主著『存在と時間』(1927年)で展開した概念です。ハイデガーは、人間の存在様式(現存在)の最も根本的な構造が「時間性」にあると主張しました。
ハイデガーによれば、通俗的な時間理解は「現在の今」が連続する直線的な時の流れとして時間を捉えます。しかし根源的時間性とは、そのような外的な時計の時間ではなく、人間が自らの存在を理解する際の存在論的な構造のことです。それは三つの「脱自態(エクスタシス)」から構成されます。
- 既在性(Gewesenheit):自分がすでにある状況・過去から投げ込まれていること
- 現(Da):現在の状況に開かれて存在していること
- 到来(Zukunft):死という最も固有な可能性へと先駆けること
これら三つは独立した瞬間ではなく、互いに統合されて「気遣い(Sorge)」という現存在の根本構造を支えています。死への先駆けが過去と現在の意味を開くという点で、「未来」が時間性の優位な脱自態とされます。
この概念はその後、サルトルやメルロ=ポンティの実存主義・現象学にも影響を与え、20世紀哲学の重要な基礎の一つとなっています。
使い方・例文
哲学や現象学の授業で「根源的時間性」という語が登場するのは、時計で測る時間ではなく、人が自己の生を理解する上での時間的構造を論じる文脈です。
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